目のトラブル
目の疲れは、かすむ、痛む、ドライアイ、充血などといった直接目に現れる症状の他、頭痛や肩こりなどの症状を伴う事もあります。当院の患者さんでは圧倒的に長時間パソコンやスマホの画面を見続けている人に多くみられます。
人間は光るものを見ると反射的に目を閉じたり反らす習性があることからも、光った画面を見続けるということは目に多大なる負担を強いているのです。
東洋医学では目は肝と最も関係が深く、目を酷使すると目の栄養源である血(けつ)を消耗し、肝の働きも低下(肝虚)させると考えます。また中高年で老眼などの症状がみられる人は、加齢により腎の働きが低下している状態(腎虚)と考えられます。
このように肝や腎の働きの低下している人が目を酷使すると、気や血を消耗して眼精疲労が生じたり、頭痛や肩こりなどの症状が現れます。
治療においては指圧や鍼灸で肝経のツボや腎経のツボを補うことで、目の不調や全身の症状を改善していきます。肝腎かなめの治療抜きにして目の症状は治せないのです。
今後ますます目を酷使する時代へと世の中は変化していきます。東洋医学で肝と腎を補いながらセルフケアもしていかなければ快適に目を使い続けることは不可能でしょう。そこで皆さんにもできるセルフケアをいくつか紹介します。
⓵目の体操
目を閉じ眼球を上下左右にゆっくりと大きく動かします。次に目を開けて近くの物と遠くの物を交互に見る。これを何回か繰り返します。
⓶耳たぶ刺激
耳たぶを思い切り引っ張ったり、揉んだりする。これは弘法大師が健康の秘訣と勧めたほど効果があります。
⓷水湿布
水道水で濡らしたタオルを目に当てる。発生するオゾンによって血液が浄化され目の熱が取れます。
以上がセルフケアの方法ですが、一番重要なことは意識的に瞼を閉じて酷使している目を休ませてあげることなのではないでしょうか。