ストレスについて
「ストレス」という言葉は「不快な刺激」といった意味で使われることが多いようですが、本来の意味は体が外部から刺激を受けた時に、体の内部に反発する力が起こる、この反応をいうのです。
ストレスは元々人間が外力を撥ねのけて健康に生きていくための反応、すなわち生体防御反応のことなのです。
科学的に説明すると、人間は外からのストレス刺激を受けると体内のホルモンバランスが乱れます。しかし同時に脳下垂体と副腎の働きによって、ホルモンバランスを元に戻そうとする反発力が起こります。したがって下垂体と副腎を鍛えておけば、良くない状態に出会ってもびくともしない状態を保つことができる。つまり普段から自身に多少のストレス刺激を加えていれば、副腎から防御ホルモンがよく分泌されるようになって、ちょっとやそっとの事では体調を崩さなくなるのです。
現代社会にはストレスを起こすような刺激が沢山あります。毎日の気象の変化、通勤ラッシュ、病の心配、人間関係など・・・。こうしたストレス刺激を嫌だな嫌だなと苦にばかりしていると、ついには病気になってしまうのです。ではどうしたらよいのか。それは暑さ寒さにも、多少の嫌なことにも、疲れることにも自分からぶつかっていくこと。これが適度なストレス刺激となって生体防御反応を高め、健康な体を手に入れることができるのです。
究極のストレス刺激であった戦争をくぐった世代が長生きしていることからも、ストレスとは人間を真に強くし、健康長寿へと導くと言えるのではないでしょうか。
「ストレス」とは人間が生きていくために必要な反応であり、反発力なのです。