唾液の効用
先日、半年に一度の歯科定期検診に行ってきました。結果は虫歯なし、歯茎の状態良しと合格をいただきました😊
私は歯科医師ではないですが、よく噛んで食べる人は唾液が良く出るので虫歯になりにくく、歯茎も鍛えられるので長持ちすると考えます。
日本人にして初のヨガ直伝者である中村天風氏は「口の中に入れた食べ物が形がなくなっちゃって、いつ飲み込むともなく飲み込まれちまうんでなきゃいけない。ところが、あなた方の多くは半噛みの、半砕きの、粗飲み込みでもって食べている場合が多かない?ひどいのになると、水やビールで流し込んでやがる。十人中九人まで胃や腸が悪いのは、この噛み方が不完全と言うより、不謹慎だからだ。何事ぞ!」と言います。食べ物を口に入れ、形のなくなるまで噛んでいると唾液が消化を助け、胃腸の病にかかりにくくしてくれます。消化器系が健全であれば人間もまた健康な状態になり、他の病にかかっても治りが早いのです。消化器系の状態というのは全身に大きな影響を与えているのです。
さらにこれからの季節は食中毒にも注意しないといけませんが、よく噛んで食べると食中毒になりにくいという報告もあります。当院の客室乗務員の患者さんは海外に行った時には水をよく噛んでから飲むと言っていました。水を噛んで飲むと”水あたり”しにくいそうです。まさに唾液は万病の薬と言えるのです。そんな万能薬を体内に持っているのに胃腸薬をせっせと買って飲む現代人の何と多いことか。唾液はモグモグとやっていれば出てくるのですから、これを使わない手はないと思うのですが・・・。もったいない話です。
さらに中村天風氏は言います。「食べ物を食べるという時間は、人間が一つの尊い芸術を行っている時なんだよ。食べ物を食べるということは、自分の生命を確保するために行うことであるだけに、これは大きな芸術なはずだ。食わなきゃ死ぬから、お役目で食うんだっていうような食い方をしちゃだめじゃねえか。楽しみなさいよ」と。”楽しみなさいよ”とは、消極的な感情や気持ちの動揺、怒ったり怖がったりしていると唾液の出が悪くなってしまうからです。よく緊張して口がカラカラに乾いて水を飲まなければいられないという経験が皆さんにもあるでしょう。ですから、楽しんで食べるということは唾液の分泌を潤沢にしてくれるということなのです。
楽しく和やかな気持ちで食事を摂るということは、より健康への近道となるのです。