正しく坐る
今月25日に緊急事態宣言が解除されました。この1ヶ月半は自宅で仕事をしていた方で、腰が痛い、だるくて眠いという患者さんが多く来院しました。自宅には会社のような机と椅子が無いため、悪い姿勢で仕事をしていたのが原因で、背骨や骨盤が歪んでいる方がほとんどでした。
では身体が歪まないような座り方とはどのようなものなのでしょうか。
どのような座り方にも共通して重要なのは、”腰骨を立てて座る”ということです。そして、パソコンをする時は腰骨を立てたまま、股関節から上体を前に傾けるのです。こうすれば身体が歪むことはありません。
座布団の座り方ですが、男女を問わず、正坐がお勧めです。よく正坐は膝に悪いとか、足が曲がると思い込んでいる人がいますが、正しく座ると書くことからも正坐は身体に良い座り方なのです。最初は短時間しか出来ませんが、習慣づけていくうちに長く座れるようになります。
次に椅子の座り方ですが、大事なのは両足裏をちゃんと床につけるということです。足裏全体で床を押していれば腰骨も立ち、骨盤にも適度な圧力が加わり歪みにくくなる。両足裏に体重が乗るほど良い座り方で、お尻に体重が乗るほど悪い座り方となります。
椅子の座面というのは、少し前傾していた方が足に体重をかけやすく理想的なのですが、ソファーや車の座席のように後傾しているものはお尻に体重がかかりやすいため、腰が痛くなったり眠くなってしまうのです。みなさんも足裏で床を押すイメージで座ってみてください。背筋が伸びて頭も冴えてくるはずです。
また、「足を組んで座るのは良くないですよね」という質問を患者さんからよく受けるのですが、「5分程度でしたら組んでも良いです」と答えています。人間は無意識のうちに疲れている側の足(短くなっている)を組んで足の長さを調整しているからです。ただし、腰骨を立てて格好よく組んでください。健康な人は足を組む姿も様になっているものです。
無意識の調整と言えば、昔の人は一仕事終えたら両腕を上にあげて身体を反らす”伸び”をよくしていました。伸びをしてから「よし、昼飯行くか!」と席を立ったものですが、現代人は本能が鈍ってしまったせいか、伸びをする姿をほとんど見なくなりました。前かがみで仕事をしていたなら、そのあとに身体を反らす伸びをしたくなるのが本能です。これは猫でもやりますよ(笑)
仕事は”正しい姿勢”で行い、一仕事終えたら”伸び”をする。これが自宅で仕事を行う秘訣です。あと、散歩やウォーキングも忘れずに😊