静の運動 動の運動
外出自粛の日々が続き、運動不足を感じている方も多いのではないでしょうか。
私はよく患者さんに「運動は何かされているのですか?」と質問を受けるのですが、いつも「特別な運動は何もしていません」と答えます。
皆さんは健康のためには何か特別に運動をしなければいけないと考えているでしょうが、仕事疲れ、家事疲れという言葉があるように、労働というものは実は大変な運動なのです。
デスクワークもきちんと良い姿勢で行えば「静の運動」と呼ばれる運動になります。
運動にはアウターマッスルを使う「動の運動」とインナーマッスルを使う「静の運動」があります。
坐禅などは深呼吸をしながら姿勢を維持する「静の運動」の代表です。
基本的に人間は正しい姿勢で労働に勤しんでいれば、必要十分な運動をこなすことになり、必要な筋肉もつき、体型も労働に適するようになっていくものです。それなのに身体が訛ったと運動不足を感じる人は、労働時間が短いか、正しい姿勢で行っていないかのどちらかなのです。
正しい姿勢というのは、姿勢保持筋であるインナーマッスルがついていないと保てませんから、正しい姿勢で労働することはインナーマッスルのトレーニングということになります。
私は正坐をして食事をする等、労働以外の時でも常に姿勢よくいることを心がけています。
結果、常に運動していることになりますので、特別に運動する時間をとる必要もなく日々楽々過ごしています。
とは言え、何もかもが便利になった現代は、労働時間も短くなり、身体が訛っている患者さんが見受けられます。
そこで、そのような患者さんに当院ではウォーキングをお勧めしています。
ウォーキングについてはまた次回。